NEDOは革新的構造材料などの研究開発事業に取り組んでおり、今般、同事業で、新構造材料技術研究組合(ISMA)の組合員である産業技術総合研究所とともに、輸送機器の構造材料・部品などの非破壊分析向けに小型中性子解析装置を開発しました。
本装置は、解析用の放射線として透過力の高い中性子線を用いることで、従来のX線では透過できなかったセンチメートル厚の金属部品などの内部の結晶情報を非破壊で分析することを可能にしました。また、装置が小型である上、小規模体制での運営により、産業ユーザーからの試料サイズや装置利用時間に関する要望にも柔軟に対応しやすく、健全性の高い構造材料・部品の開発と輸送機器の軽量化の促進につなげられます。
今後、中性子線の安定化や検出器の高感度化など装置の性能向上を進め、2020年度での本格稼働を目指します。本装置を、構造材料・部品開発における高性能な非破壊分析手法として確立することで、輸送機器軽量化の進展に貢献します。