事業について

ISMAでは、自動車を中心とした輸送機器の抜本的な軽量化(半減)に向けて、主要な構造材料の高性能化とマルチマテリアル化技術開発を一体的に推進する事業「革新的新構造材料等研究開発」を実施しています。本事業により、輸送機器の燃費向上によるエネルギー消費量とCO2排出量の削減、次世代自動車普及の加速、わが国の部素材産業やユーザー産業の国際競争力強化を目指します。

事業について

「革新的新構造材料等研究開発」とは

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けて、ISMAが実施する事業(プロジェクト)です。
NEDOのサイトへ

研究内容

プロジェクト前半(2013~17年)は、金属材料に関しては強度と延性を両立する性能向上、熱可塑性CFRPに関しては車体/構造用部品への対応性の見極め、接合技術に関しては溶融接合や摩擦接合を活用した技術開発を行いました。プロジェクト後半(2018~2020年)は、前半の研究成果を踏まえてマルチマテリアル化を目指した技術や部品化の課題を解決し、自動車ホワイトボディのモデル化に関する検討を行うほか、実用化・事業化を目指した研究開発を推進しています。

2013-2017、2018-2022

自動車の軽量化技術開発は、従来技術の延長上で形状最適化が行われてきましたが、近年は高強度鋼材やアルミ材、CFRPなどの軽量材料を適材適所に配置するマルチマテリアル化が進み、高級車やスポーツカーで実用化されてきました。本研究では日本の技術を生かした量産車でのマルチマテリアル化を目指しています。

マルチマテリアル一例

構造材料の軽量化も重要な課題です。金属材料は強度を高めれば延性(伸び)が低下し、延性を向上させると強度が低くなる現象(バナナカーブ、左図)があり、本研究では、この相反する特性を同時に向上させる開発を進めてきました。また軽量化技術開発では、強度と延性に加えて強度や剛性を密度で割った比強度と比剛性を加味する必要があります(右図)。

構造部材特性
比剛性

研究開発体制

分担研究拠点(分室)

組合員(一部を除く)は、ISMA事業の分担研究拠点(分室)として研究開発の中心となって活動しています。

明石分室(川崎重工業)、板橋分室(日本金属)、射水分室(三協立山)、伊予分室(東レ)、京都分室(島津製作所)、古河分室(セメダイン)、小牧分室(大日本塗料)、湘南分室(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)、西神分室(神戸製鋼所)、高岡分室(タカギセイコー)、茅ヶ崎分室(東邦チタニウム)、千年分室・深谷分室(UACJ)、千葉分室・京浜分室(JFEスチール)、調布分室(メカニカルデザイン)、つくば千現分室(物質・材料研究機構)、土岐分室(高砂工業)、長洲分室(不二ライトメタル)、名古屋熱田分室(ファインセラミックスセンター)、名古屋大学集中研分室(東海国立大学機構 名古屋大学)、名古屋守山分室・つくば中央梅園分室・つくば中央東分室・つくば小野川分室(産業技術総合研究所)、夏島分室(日産アーク)、八王子分室(コニカミノルタ)、浜松アクト分室(アルモニコス)、阪大接合研分室・阪大工学研究科分室(大阪大学)、日立分室会瀬(日立パワーソリューションズ)、日立分室大みか(日立製作所)、日立分室安来第1(日立金属)、日立分室安来第2(日立メタルプレシジョン)、平塚分室(日本パーカライジング)、広島分室(マツダ)、富津分室・尼崎分室(日本製鉄)、三島分室(帝人)、横浜磯子分室(IHI)、横浜金沢分室(総合車両製作所) (五十音順、2021年4月1日)

研究再委託先

分担研究拠点(分室)である組合員が大学や研究機関などに研究の一部を再委託する形式で連携し、研究開発を進めています。

秋田大学、茨城県産業技術イノベーションセンター、茨城大学、岩手大学、大阪工業大学、大阪府立大学、海上技術安全研究所、金沢工業大学、岐阜大学、九州大学、京都大学、近畿大学、群馬大学、高エネルギー加速器研究機構、神戸大学、島根大学、帝京大学、東京工業大学、東京大学、東北大学、東レエンジニアリングDソリューションズ、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、ナガセケムテックス、名古屋工業大学、日本原子力研究開発機構、日本大学、日本マグネシウム協会、兵庫県立大学、広島大学、ヒロテック、北海道大学、ミリオン化学、山形大学、横浜ゴム、理化学研究所、量子科学技術研究開発機構、早稲田大学 (五十音順、2021年4月1日)

連携体制

ISMAでは、内閣府が実施する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第1期「革新的構造材料」、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」、文部科学省が実施する「元素戦略プロジェクト〈研究拠点形成型〉:構造材料領域」と連携して研究開発を進めています。

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