難燃性マグネシウム合金の輸送機器への展開

難燃性と加工性に優れたレアアースフリーのマグネシウム合金を開発し、現在アルミニウム材が主体の高速鉄道車両構体をマグネシウム材に置き換えることを目指しています。2017年には現行の新幹線車両と同一断面サイズで世界最大級となるモックアップ部分構体(1m長)を試作しました。今後はさらに長尺のモックアップ部分構体を試作し、長期使用時の疲労特性の検証試験を実施する予定です。また2018年度からマグネシウム材の性能・寿命を予測するためのMI(マテリアルズ・インテグレーション)活用技術の開発にも着手しています。

マグネシウム合金開発目標

マグネシウム合金開発目標

難燃性マグネシウム合金製高速鉄道車両試作構体

難燃性マグネシウム合金製高速鉄道車両試作構体

研究成果

【プレスリリース】難燃性マグネシウム合金製の床板を新幹線試験車両に適用し、性能試験を実施:2022年4月4日(NEDOのサイトへ)

【プレスリリース】世界最大級、難燃性マグネシウム合金を使った高速鉄道車両部分構体の試作に成功:2018年6月12日(NEDOのサイトへ)

【プレスリリース】機械特性を飛躍的に改善した難燃性マグネシウム合金押出材の作製に成功:2017年11月1日(NEDOのサイトへ)

【特集】世界最大級、難燃性マグネシウム合金製の高速鉄道車両部分構体を試作(ISMA REPORT No.12:2018年9月)

【特集】難燃性新マグネシウム合金で高速鉄道の車両製作に挑む(ISMA REPORT No.3:2016年6月)

難燃性マグネシウム合金の開発

合金は高速押出用と高強度の2種類、素形材は4種類を開発しました。2015年度末までにラボレベルで強度・延性の目標を達成し、2017年度末までに実機サイズでの製造を可能にしています。

開発Mg合金 合金組成(質量%)
高速押出用Mg合金 AX41押出用合金(易加工性) Mg-4Al-1Ca
高強度Mg合金 AX92押出用合金 Mg-9Al-2Ca
AX81G中板・厚板用合金 Mg-8Al-1Ca
AX81S薄板用合金 Mg-8Al-1Ca

開発した合金と素形材の種類

難燃性マグネシウム合金製高速鉄道車両構体を試作

世界最大級となる現行の新幹線車両と同一断面サイズで1m長のモックアップ部分構体を試作しました。アルミニウム合金製図面質量と比較して約28%の軽量化を実現しています。

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